資料請求をすると夜中に勧誘電話がかかってきたり、説明会に行けばなかなか帰してくれなかったり。以前から、この会社は問題が多いなという認識はありました」
留学をめぐるトラブル相談を受け付けているNPO留学協会(東京)の酒井雅典事務局長は、ゲートウェイ21の印象をこう話す。
同社は、留学希望者に海外の語学学校や滞在先などを斡旋し、手数料を取る留学仲介業者。留学仲介業者は現在120社ほどあるが、ゲートウェイ21は、強引な営業手法も駆使して急激に売り上げを伸ばしてきた大手だった。
同社は、福井伴昌社長自ら認めている通り、顧客から学費や滞在費として預かった費用の大半を、留学先に送金せず事務所の家賃や従業員の人件費に充ててい た。被害に遭った債権者の多くは、20歳代の女性。仕事をしながらためた留学資金数十万から数百万円を勝手に使い込まれてしまったのだから、債権者の怒り が収まるはずもない。
留学協会にはすでに、債権者から100件以上の相談が寄せられているが、なかには詐欺まがいの事例もある。孫が来年夏、欧州に留学する予定だったという神 奈川県の男性は、同社から「早く費用を振り込んでくれ」とせかされたため、先月22日に209万円を振り込んだところ、そのわずか4日後に破綻が発覚し た。
また、留学の行き先や日程も未定のまま、留学費用の「積み立て」と称して、毎月数万円を振り込ませていた事例も数例あった。強引な営業手法に加え、売る商品が決まる前にカネを取るなどが横行していたのだ。
放置された業界
ただし、程度の差はあるが、留学仲介の契約をめぐるトラブルは、同社だけに限らない。業界関係者が指摘する。
「代表的なのが、業者が留学希望者向けに行う無料カウンセリングです。行き先などの希望を聞き、留学先を斡旋するのですが、留学時期が当分先でも、『今は円高だから、すぐ契約したほうが得』などと強引に契約させ、トラブルになる」
語学学校やエステティックサロンなどの契約の場合、一定の期間内なら無条件に解約できるクーリングオフの制度がある。ところが、留学仲介業はこの制度の対象に含まれておらず、顧客はクーリングオフを行使することができない。
「基本的に業者の定めた返金ルールに従うことになるため、返金をめぐるトラブルが最も多い」(前出の酒井事務局長)
また、今回、被害が巨額になったのは、学費や滞在費も「預かり金」として同社に振り込まれ、それが流用されてしまったため。業者に支払うのは仲介手数料のみで、学費や滞在費は顧客が直接、留学先に払い込めば、こんな額にならなかったのだが、ここにも業界事情があった。
「学費の5~20%は、留学先の学校から業者に『コミッションバック』として渡るシステムになっているのです。顧客が直接払い込むことは、業者も学校も嫌がる」(関係者)
さらに、業界には所轄官庁はない。業法や業界統一のルールも存在しない。一口に留学と言っても、「教育」としては文部科学省だが、「国際」なら外務省、「旅行」なら国土交通省となるためだ。日本ワーキング・ホリデー協会(本部・東京)の福村英俊事務局長が指摘する。
「留学生は年間10万人程度と市場規模としては大きくないため、放置されてきた面はあります。ただ、最近は、留学先の選定からビザ取得まで業者任せの人が増えた。留学が〝パック旅行の延長〟になってしまっていることも、問題の背景にあるのではないでしょうか」
夢の留学、くれぐれも慎重に。
クーリングオフも適用されないなんて随分と無法地帯な業界ですね。金額で言えば、英会話やエステと同等もしくはそれ以上の金額が動く場合だってあるのに。この事件をきっかけに法改正にもつながり今後このような被害者が出ないようなシステムつくりをしてもらいたいものです。
しかし、まずは留学生である私たち(私は旧留学生だが…。)がとにもかくにもお金を払う際は慎重にならないといけない。苦労して貯めたお金ならなお更よ。
無料カウンセリングほどあやしいものはなくて、この手のカウンセリングはとにかく信じられないほどしつこい勧誘をしてきます。(契約しないと帰さないぐらいの勢いで。)
NO なときははっきりと NO と言える人になりましょう。これは留学先の生活でも必須のこと。
参考記事:
留学資金9億5000万円〝返金不能〟の業界事情
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/yw/yw08102601.htm
